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油圧とは?装置の仕組み・原理・特徴についてご紹介!

2022年12月11日

油圧装置は日常生活を送っていると耳にする機会はあまりないかと思います。
とはいえ、仕事や学業などで今後触れる・関わる機会がないとは言えません。
特に建築建機、産業車両、農業機械などに関わる仕事をするなら、油圧装置についての基礎知識を学んでおいた方がよいでしょう。

今回は油圧装置とはどういったものなのか、仕組みや特徴はどうなっているのか。
今回は油圧装置についてお話をしていきます。

油圧とは?装置の仕組み・原理・特徴についてご紹介!

油圧とはどういった仕組みなの

油圧とは、油にかける圧力を意味します。
機械装置において油圧装置・機器と呼ばれるものは、この油にかかる圧力である油圧の力を利用しさまざまな働きをさせているのです。

油圧の仕組みとは

油圧とは、後述するパスカルの原理を用いて油に力をかけて圧力を発生させたものです。
圧力とは、液体を密閉状態にし、押し付け力をかけて時に押し返そうとする・反発しようとする力になります。
この油の流れ(流量)と圧力を装置を用いて任意の仕事に変換させるのが油圧装置の役目です。

パスカルの原理って何ですか?

パスカルの原理とは、液体が入っている密閉容器の一部に圧力が作用するとその圧力がそのままの状態・力で容器の形に関係なく液体全体に伝わるという原理になります。
液体の一部にしか圧力を加えていなくても液体全体に力が作用するというのがパスカルの原理の特徴です。

油圧とエネルギーの関係性について考えてみよう

油圧とエネルギーの関係性はパスカルの原理が大きく作用しています。
密閉された大証大きさの異なる容器同士を管などを利用してつなげた状態にし、片側に力(圧力)を加えます。

そうするとパスカルの原理が作用し、圧力・エネルギーは拡大され大きさ・重さが異なっていても同じだけの圧力・エネルギーを生み出せるのです。

空圧・水圧・油圧のそれぞれの違いや特徴について考えよう

特定の流体に対して圧力を加え発生するエネルギーを利用する方式として、圧力以外に空圧や水圧といった仕組みがあります。
いずれも原理としては同じですが、空圧や水圧の場合は環境による状態変化が大きかったり、装置が錆びやすかったりといったデメリットがあるのです。

油圧はそのほかの流体と比較すると簡単に高圧化がしやすいため、より大きなエネルギーを利用したいと考えた場合は特に油圧が採用されやすくなります。

油圧装置のメリットを3つお伝えします。

1つめは、大きな力を迅速に正確に伝えられる点です。迅速に伝えられるシンプルさから油圧はさまざまな分野で利用されているのです。
2つめは、力の密度がほかの技術と比較し高いため機器の小型化・軽量化が容易な点になります。

3つめは、過負荷に対する安全性が高い点です。圧力制御弁をつけていれば規定以上の圧力が作用すると弁が開き、物理的に圧力を逃がし機械に無理をさせません。

油圧装置にはメリットだけではなくデメリットも存在します。
油圧装置のデメリットも同様に3つお伝えします。
1つめは、ゴミの混入に弱い点です。ゴミの混入によって装置が徐々に傷つき動作不良を招くリスクがあるため、常に清浄度には注意が必要となります。

2つめは、可燃性物質なため火災のリスクがほかの流体よりも高い点です。
3つめは、油漏れのリスクです。現場の環境汚染はもちろん、土壌汚染などのリスクにもつながるため、油漏れには常に注意を払う必要があります。

油圧装置とはどんなもの?基礎知識を解説

油圧装置とは、油圧の力を利用し作動する装置全般を意味します。
代表的なものとして、「油圧発生装置」「油圧駆動装置」「油圧制御装置」などがあります。

油圧装置の長所

油圧装置の長所は以下の5つです。

● 機械や電気などを動力にするものと比べ、小型化・軽量化しやすい
● 振動が少なく動きが滑らか
● 環境変化に強く労働環境の悪い場所でも使用可能
● 弁の取り付けや、電気との組み合わせで制御がしやすくなる
● 遠隔操作が可能

油圧装置の短所

油圧装置の短所は以下の5つです。

● ゴミや錆といった汚れに弱い
● 稼働させる原料・燃料である油が可燃性のため火災リスクがある
● 配管作業に専門性が要されるためコストがかかる
● 稼働させる際の油の温度管理に注意を払う必要がある
● 油漏れによる環境・土壌汚染を考慮する必要がある

油圧装置の構成要素についてお話ししていきます

油圧機器は大きく「油圧ポンプ」「制御弁」「アクチュエータ」の3つで構成されています。
それぞれがどういった役割・仕組みをしているのかについてお話ししていきます。

油圧ポンプとは

油に圧力を与えるのが油圧ポンプの役割です。
油圧機器・装置にとっては力(圧力)を与える根幹の部分、力の源とも表現できる非常に重要な役割を持っている部分となります。

アクチュエータとは

入力されたエネルギー(力・圧力)を物理的な運動に変換する機構を総称したものがアクチュエータです。
要約するとアクチュエータは圧力を動作に変換する機器になります。
油圧アクチュエータでは以下の3つの動作が可能です。

● 直線運動=油圧シリンダ
● 回転運動=油圧モータ
● 振動運動=振動シリンダ

制御弁とは

油の圧力・流量・流れの方向性を制御する役割を持つのが制御弁です。
制御弁の代表的なものは以下になります。

● 圧力制御弁:油の圧力を制御し、アクチュエータの力を制御する
● 流量制御弁:油の流量を制御し、アクチュエータの動作速度を制御する
● 方向制御弁:油の流れを制御して、アクチュエータの動作方向を制御する

まとめ

油圧装置についてお話をしました。
油圧装置を正しく利用できるようになるには、仕組みや原理はどのようになっているのか、そのほかの仕組みとはどのような違いがあるのか、どういったメリット・デメリットがあるかの知識が重要です。

知識を身に付ければ正しく有効的に活用ができます。
この記事が少しでもヒントになれれば幸いです。

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