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油圧コントロールバルブの構造について解説!絞りや油圧回路、圧力の調整方法は?

2023年09月06日

油圧コントロールバルブは、産業界において重要な役割を果たす装置の一つです。
この記事では、油圧コントロールバルブの基本構造から絞りによる油圧制御、そして圧力の調整方法まで、詳細に解説します。

油圧コントロールバルブの構造について解説!絞りや油圧回路、圧力の調整方法は?

油圧コントロールバルブの基本構造

産業界において、油圧システムは機械や設備の制御に幅広く利用されています。
その中でも、油圧コントロールバルブは不可欠な役割を果たし、機械や設備の正確な制御を担当しています。

まず、油圧コントロールバルブの基本構造を解説し、その後、絞りを用いた油圧制御の仕組みについて詳細に掘り下げてみましょう。

油圧コントロールバルブとは

油圧コントロールバルブとは、油圧システムにおいて、油の流量や圧力を制御するための装置です。

油圧システムは、油をポンプで加圧し、配管やホースで送り、アクチュエータ(シリンダーやモーター)で動力に変換する仕組みです。
油圧コントロールバルブは、この油の流れを適切に調整して、アクチュエータの動きを制御する役割を果たします。

バルブ内部の要素と機能、基本構造

油圧コントロールバルブは、主に以下の要素から構成されます。

バルブ本体

油が流れる通路や穴がある金属製の部品です。
通常、複数のバルブ本体をボルトやフランジで接続して、一つのユニットとして使用します。

スプール

バルブ本体内に挿入される円筒形の部品です。
スプールの位置によって、通路や穴が開閉され、油の流れが変化します。
スプールは、手動で操作するものや、電気信号や空気圧などで動かすものがあります。

スプリング

スプールを元の位置に戻すために使用される部品です。
スプリングは、スプールに対して一定の力をかけることで、バランスを保ちます。

ポート

バルブ本体に設けられた接続口です。
ポートには、ポンプから来る高圧側(Pポート)、アクチュエータへ行く作動側(AポートやBポート)、タンクへ戻る低圧側(Tポート)などがあります。

絞りによる油圧制御の仕組み

バルブの構造について理解できたところで、重要な概念である「絞り」とは何かについて解説します。

絞りの種類と役割

絞りによる油圧制御の仕組み 絞りの種類と役割 絞りとは、バルブ内部の通路や穴を細くすることで、油の流量や速度を減らす仕組みです。

絞りによって、油圧システムにおけるエネルギー損失や発熱量を抑えることができます。
また、絞りは、アクチュエータの動きを滑らかにするためにも使用されます。
絞りには、以下のような種類があります。

固定絞り

通路や穴の断面積が一定で変化しない絞りです。
固定絞りは、油の流量を一定に保つことができますが、油圧システムの負荷が変化した場合には、油の圧力も変化します。

可変絞り

通路や穴の断面積が変化する絞りです。
可変絞りは、油の流量を調整することができますが、油圧システムの負荷が変化した場合には、油の流量も変化します。

油圧回路と圧力の調整方法

バルブは圧力によって機能しますが、その調節はさまざまな構造によって支えられています。
ここではその構造である油圧回路と、圧力の調整方法について解説します。

圧力調整装置の働き

圧力調整装置とは、油圧システムにおいて、油の圧力を設定した値に保つための装置です。
圧力調整装置は、バルブ本体内に設けられた弁やスプリングなどで構成されます。
圧力調整装置の機能について解説します。

圧力制限弁

油圧システムにおける最大圧力を設定する弁です。
油の圧力が設定値を超えた場合には、弁が開いて油をタンクへ戻すことで、圧力を下げます。

圧力減圧弁

油圧システムにおける部分的な圧力を設定する弁です。
油の圧力が設定値を超えた場合には、弁が開いて油を別の回路へ流すことで、圧力を下げます。

圧力逆止弁

油圧システムにおける一方向の流れを確保する弁です。
油の流れが正常な方向であれば、弁は開いて通過させますが、逆方向であれば、弁は閉じて通過させません。

油圧の調整方法

ほかにも、油圧システムにおいて、油の圧力を調整する方法は、主に以下のようなものがあります。

ポンプ出力調整法

ポンプの回転数や排出量を変えることで、油の圧力を調整する方法です。
この方法は、エネルギー効率が高く、応答性も良いですが、ポンプの機械的な耐久性や制御性に問題があります。

バイパス制御法

ポンプから出た高圧油の一部をタンクへ戻すことで、油の圧力を調整する方法です。
この方法は、ポンプの機械的な負担や制御性に問題がなく、安価で簡単ですが、エネルギー効率が低く、発熱量も多いです。

負荷感応制御法

アクチュエータから帰ってきた低圧油の一部をポンプへ戻すことで、油の圧力を調整する方法です。
この方法は、エネルギー効率や発熱量に問題がなく、負荷変動にも対応できますが、制御系統が複雑で高価です。

まとめ

油圧コントロールバルブは、液体の流量と圧力を制御するための不可欠な要素であることが分かりました。

絞りによる制御や圧力調整装置の適切な選択は、さまざまな産業分野での応用において不可欠です。
油圧コントロールバルブに関する知識を活用して、より効率的で信頼性の高いシステムを構築しましょう。

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