お役立ちコラム

column

躯体図の見方は?使われる記号や確認ポイントについて解説

2023年05月05日

「躯体図ってどんなシーンで使うの?」
「図面の見方を教えてほしい!」
そう悩んでいる方も多いでしょう。

そこで今回は躯体図の種類や見方について解説します。
躯体工事を進める方は本記事をぜひ参考にしてください。

躯体図の見方は?使われる記号や確認ポイントについて解説

躯体図とは?

躯体図とは建物の構造を描いた図です。
躯体とは建物の骨組み部分を指し、基礎・基礎ぐい・柱・壁・土台などの総称を言います。
建物の素の状態であり、内外装の仕上げや住宅設備以外を指しているのです。

建築においてとくに重要な施工図であり、作業を正確に行うためには欠かせません。
躯体図には構造体の記号を書き表し、位置や付帯情報をはっきりさせていきます。

躯体図の種類

ここからは躯体図の種類について解説します。
種類を把握し、躯体図の基礎を押さえていきましょう。

床伏図

床伏図とは床の構造を表す図です。
躯体図の中で最も代表的な図と言っても過言ではありません。

1階の床伏図はシンプルに基礎が描かれています。
その上で土台・柱・大引・根太などが書かれているのです。
2階の場合は1階と2階の柱の位置を描き、大梁・小梁・胴差し・根太などが書かれます。
資材の大きさや補強箇所も細かく表しているのも特徴です。

見上図

見上図とは天井の躯体を描いた図です。
前述した床伏図とは真逆の図となります。
一般的には下から見上げた状態を描いた図と言えるでしょう。

床伏図と見上図には関連性があり、言い方次第で同じ箇所を指すケースもあります。
例えば3階建ての場合、3階の床伏図と2階の見上図は同じです。
「3階の床に立って見下ろす=2階の床に立って見上げる」となるのは念頭に置いておきましょう。

躯体断面図

躯体断面図とは建物を上下から見るのではなく、横から見た図です。
建物を縦に切断し、切り開いた断面を表した図となります。

床伏図と見上図の場合は柱や土台が上からしか確認できません。
しかし、躯体断面図は横からの情報も加わります。
床伏図・見上図・躯体断面図を合わせれば、より立体的に把握できるのです。
建物の状態を正確に知るためには、3つの図をそれぞれ丁寧に確認していきましょう。

躯体図の見方

続いては躯体図の見方について解説します。
躯体図は建物の梁・スラブ・開口の情報を、3次元で表した躯体図記号を用いて表していきます。
記号に書かれた数字やアルファベットを読み取れば「どれくらいの高さなのか?」「寸法はどの程度か?」などの情報を得られるのです。
そのためにも、躯体符号についての知識を深めておきましょう。

梁符号

梁符号は楕円を4つの空間に分けた図です。
4つある記号箇所のうち、上は梁幅、右は上階基準線からの梁天端レベル、下は梁成、左は梁記号となります。

上下の記号はシンプルに梁の幅、梁の高さです。
右の記号は梁の最も高い位置から上階基準線までの長さ、左は梁の種類を指します。
例えば「+ーゼロ」と書いてある場合「梁の最も高い位置(天端)=上階基準線」です

スラブ符号

スラブ記号は四角を3つの空間に分けた図です。
スラブとは鉄筋コンクリート造の床や屋根を指します。
「slab」は厚板または平板と訳せ、鉄筋とコンクリートで構成される部材です。
3つある記号箇所のうち、右上は上階基準線からの梁天端レベル、右下はスラブ厚さ、左はスラブ記号となります。

右上の記号は梁符号の右記号と同じく、梁の最も高い位置から上階基準線までの長さです。
前述の例は+ーゼロでしたが、まれに「ー30」「ー20」と言った場合もあります。
これはあえて傾斜をつけ、雨水を逃がすためのつくりです。
右下は床の厚さを、左はスラブの種類を表しています。

開口符号

開口符号は丸を3つの空間に分けた図です。
開口とは外に開かれた部分を言います。
例えば天窓・ドア・玄関などは開口の最も代表的な箇所でしょう。
3つある記号箇所のうち、上は開口の有効高さ、真ん中は開口記号、下は下階基準線からの開口下端レベルとなります。

上はシンプルに開かれた部分の大きさです。
開口の寸法と言えば分かりやすいかもしれません。
下は床から開口までの高さを指します。
例えば60とあれば、床から60高い場所に開口をつくる意味です。
最後の真ん中は開口の種類を表します。

また、例外的に丸の記号ではなく、四角で4つの空間に分けた図で表現する会社も。
その場合は開口の横幅が加わります。
施工会社によって表現する符号が異なるケースも多く、あらかじめ確認が必要です。

まとめ

躯体図とは建物の構造を描いた図です。
躯体図の種類には床伏図・見上図・躯体断面図などがあります。
床伏図や見上図は上下から、躯体断面図は横から建物の状態を確認できる優れもの。
建物を正確に知るためには、記号と合わせて入念に確認していきましょう。

関連記事

Related post