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ICT施工とは?土木工事に導入するメリットや活用例を解説

2023年02月24日

近年、土木・建設の現場にICT(情報通信技術)の導入が進んでいます。
建設業界へのICT導入の目的は、作業の効率化や精度の向上、事務管理の負担軽減などです。

土木・建設の現場でICT施工がさらに進めば、生産性向上や労働力の確保が見込めます。
建設現場に導入する前に、ICTに関する知識への理解が必要です。
今回は、ICT施工を土木工事へ導入するメリットや活用事例などを中心に解説しますので、ぜひ最後までご覧ください。

ICT施工とは?土木工事に導入するメリットや活用例を解説

ICT(i-Construction)とは何か

現場の生産性向上を図るために、国土交通省は2015年2月にi-Construction(アイ・コンストラクション)の導入を表明しました。
魅力があり、従業員にとって働きやすい建設現場を目指すために始まった取り組みです。

建設現場での、測量・設計・施工計画・施工・検査といった一連の工程に3次元データを大いに活用していきます。
情報テクノロジーを建設現場に活用すれば、現場の事務作業負担の軽減や施工管理の効率化が可能です。

土木工事におけるICTのメリット3選

土木工事にICT技術を導入するに主なメリットには、下記の3つがあげられます。

1. 現場全体の施工効率・精度が上がる
2. 安全性の向上
3. 環境への配慮

どれも、現場の従業員が精力的に働ける建設現場を作っていくには欠かせない要素です。
この章では、それぞれのメリットについて解説しますので、ICT導入前にぜひご覧ください。

1.現場全体の施工効率・精度が上がる

ドローンなどを利用して、短時間で高密度の測量ができます。
収集したデータは、すぐに3次元の測量データとして活用が可能です。
測量後の設計や施工の工程においては、3次元での図面管理や計測・修正を可能にします。

また、現場で使うICT建設機械は、自動制御によって作業精度を向上させて作業日数を短縮できる点がメリットです。
検査の段階でも、3次元データがパソコンやアプリなどに集約されるため、工数はICT導入前よりも減らせます。

2.安全性の向上

ICT施工では、あらかじめパソコンやアプリに取り入れられた3次元設計データを利用して作業を進めます。
かつて建設現場周辺での測量作業は、高所作業もあって常に危険をともなうものでしたが、ICT施工は丁張り作業や作業補助も大幅に減らせて安全です。

事務的負担が大幅に減らせるため、現場の従業員が現場作業に集中しやすくなり、作業中の事故も減ると見込まれます。
危険を防ぐためにも、事前にICT講習で知識を身につけるのもよいでしょう。

3.環境への配慮

ICT施工の現場作業では、主にICT建機を使います。
特に自動制御装置のあるICT建機は、当初の計画通りに無駄のない動きで作業を進めるため、燃料の消費量低減にもつながる点がメリットです。

ICT建機を導入すれば、建設資材の余剰が少なくなって環境への負担が以前よりも減らせます。

土木工事でのICT活用事例2選

土木工事の現場でICT施工を実際に活用した事例は、主に下記のようなものです。

1. 現場に監視カメラ(アラート機能付き)を設置
2. ドローンを使った測量や写真撮影

さまざまな会社で、ICT施工は多くの土工や建設の現場を支えています。
今や、建設業界にICTは欠かせない存在です。
この章では、それぞれの事例について紹介します。

1.現場に監視カメラを設置

現場の監視カメラを設置し、監視の人員を削減している現場もあります。
複数の監視カメラを設置すれば、危機管理対策に効果的です。
ICT対応の監視カメラには、物体認識や動体認識の機能が付いており、重機や人物などを区別してアラート機能で通知します。

立ち入り禁止となっている工事エリアの侵入や、現場作業での事故を減らすために、アラート機能のある監視カメラはとても便利です。

2.ドローンを使った測量や写真撮影

ドローンを使った現場の写真撮影や測量を導入して、高所作業や危険な現場での作業を大きく減らせます。
ドローンによってさまざまな角度から現場の写真撮影ができて、あまり時間を置かずに現場作業への活用が可能です。

ドローンの使用によって測量の時間も大幅に短縮できます。
ドローンによる測量データは、3次元データとして迅速にパソコンやアプリに取り込めるので、非常に効率的です。

ICTを学ぶ講習に参加すると理解が深まる

土木・建設の現場で働く作業員向けに、ICT施工講習を実施している団体もあります。
ICT施工への理解を深めるためには、現場の社員たちに講習に参加してもらって、導入に備えるのもよいでしょう。

講習では、ICT活用工事の概要や工事見積もりの立て方、3Dデータ作成やICT建機の実技などについて学べます。
ICT施工の基礎から実践まで網羅的に学び、実際の現場ですぐに活用が可能です。

まとめ

土木工事の現場にICTを導入すると、作業効率・精度の向上や安全性の確保が大いに期待できます。
しかし、ICTは導入コストがかかるうえに、導入しても社員がすぐに使いこなせるとは限りません。

実際にICT導入を検討している会社の方は、導入費用や社員の理解を事前に確かめる必要があります。
導入前にICT施工について予習し、条件に見合ったICTを選びましょう。

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