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河川工事とは?土木工事との違いや作業内容について詳しく解説!

2023年02月23日

川に関わる工事である「河川工事」。
人々の生活を自然災害から守るうえで欠かせない工事の一つです。
ですが、具体的にどんな作業を行っているのか、イメージがつきにくい部分もあるのではないでしょうか。

そこで今回は、混同しやすい土木工事との違いも含め、河川工事の内容について徹底解説します。
ぜひ最後までご覧ください。

河川工事とは?土木工事との違いや作業内容について詳しく解説!

【概要】河川工事とは?土木工事とは何が違う?

河川工事とは、豪雨や台風などによる水害を防ぐために行います。
河川の氾濫による洪水を防ぐうえで、河川工事は人々の生活に欠かせない存在です。
堤防や水門の建設、床止めといった川の修繕など、種類は多岐に渡ります。

一方で土木工事とは、建物以外の工事全般を指しています。
よって、河川工事は土木工事のうちの一つです。
道路工事、ダム工事、橋梁工事なども含まれます。
建物の建設は建築工事にあたるため、それぞれ混同しないように注意しましょう。

また、川は規模によって等級が定められており、一級河川・二級河川・隼用河川・普通河川の4種類に分かれています。
一級河川などの規模の大きい川は水害リスクが高いので、定期的な河川工事が必要となるケースが多いです。

河川工事は川の位置によって種類が異なる

河川工事は、川の上流部・中流部・下流部で工事の内容が若干異なってきます。
それぞれの位置での工事内容は次の表の通りです。

川の位置 河川工事の内容
上流部 砂防工事、河道掘削工事
中流部 河道掘削工事、築堤工事、床止め工事、樋門工事
下流部 床止め工事、樋門工事、河道掘削工事

それぞれの工事の詳細については、次の章で解説していきます。

河川工事は大きく5種類に分かれる

前章の表でも触れましたが、工事は5種類に区分できます。

● 砂防工事
● 河道掘削工事
● 築堤工事
● 床止め工事
● 樋門工事

一体どんな作業を行っているのでしょうか。
それぞれの工事の内容について、一つずつ詳しく解説します。

1.砂防工事:土砂災害や地滑りを防ぐ

砂防工事は、土砂災害や斜面の崩壊、地滑りなどの発生を防ぐために行われる工事です。
土砂災害防止による環境保全について定めた法律・砂防法に基づいて実施されます。

土砂そのものをせき止めるダム(砂防ダム)の建設も、砂防工事に含まれます。
地滑り防止の工事には、ワイヤーなどを設置して地面の動きを鈍らせる抑止工と、土塊から水を取り除いてダイレクトに地質を変化させる抑制工の2種類があり、どちらも地盤を強固なものにするうえで重要です。

2.河道掘削工事:川底を深くして水位を上げにくくする

河道掘削工事は、川底を掘り下げ、水が流れる面積を拡大させるための工事です。
河道の掘削により川底が深くなると、大雨が降っても水位が極端に上がりづらいです。
よって、洪水の防止につながります。

また、川底の土砂を取り除く工事は「浚渫(しゅんせつ)工事」と呼ばれます。
川だけではなく、海で行うケースも多いです。
浚渫工事により回収した土砂はそのまま処分してしまうのではなく、天日干しさせて湿気を抜き、再活用するよう河川法で奨められています。

3.築堤工事:堤防を造って氾濫を防ぐ

築堤工事は、河川の氾濫による周辺被害を防ぐために堤防を設置する工事です。
盛り土のほか、コンクリートや鉄板を使用して堤防を造るケースが多いです。
また、堤防の新設のほか、既存の堤防に高さを加えるなどといった強化・修繕も築堤工事に含まれます。

築堤の際は、氾濫時にどこまで水位が上がってくるのかを正しく予測して作業を進める必要があります。
そのため、災害時の過去データの確認は必ず行わなければいけません。

4.床止め工事:脆い川底を強化する

川底の土質が脆弱な場合、河川の土砂が流されやすくなります。
これを洗掘と呼び、洗掘が起こると河川氾濫のリスクも上がります。
こういった氾濫を防ぐために行われるのが、川底を固める床止め工事です。
床固め工事とも呼ばれます。

床止め工事では、川底の形状を維持するために、主にコンクリートブロックなどを設置して強化する作業を行います。

5.樋門工事:逆流を防ぐために水門を設置する

樋門工事は、川の逆流を防ぐために水門を設置する工事です。
河川の合流地点では、水位が高くなった際に逆流が発生しやすい傾向があります。
逆流が起こると氾濫のリスクが高まるため、非常に危険です。

普段は解放されている水門ですが、大雨の際には閉じられます。
水門が閉まると、仮に逆流が発生しても水の流れを食い止められるため、氾濫のリスクを抑えられるのです。

河川工事の大まかな流れ

河川工事を行うには、まず河川の管理者に許可申請をしなければいけません。
河川の等級によって管理者は異なり、一級河川は国土交通大臣、二級河川は都道府県知事、準用河川と普通河川は市区町村が管理しています。
許可申請書など、必要な書類一式を管理者に提出するのが第1段階です。

申請の承認が下りると、河川工事を行えます。
河川工事は大半が水の上での作業になるため、始めに盛り土などで仮設の道路を造ります。

この仮設道路は、仮に河川の水位が上昇しても水があふれ出さないように造らなければいけません。
また、大雨などの時には工事を行えないため、悪天候による施工延期も見越したうえでスケジュールを組む必要があります。

まとめ

ここまで、河川工事の具体的な内容について詳しく解説してきました。
河川工事は土木工事のうちの一つで、インフラに関わる重要な存在です。
また、上流・中流・下流と場所によって種類が少し変わってきます。

たとえ大きな川のそばでも日々安心して暮らせるのは、土木工事があってこそといえるでしょう。

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